『toto』赤字230億円で「国立競技場が売却!」の危機

totoがアブネとの記事。かつて愛読していた、○の真相っぽくカストリのスキャンダルっぽい書き方だけど、意味に富んでいる記事だと思う。

  • ギャンブルとしてのtotoが危ないのではない。totoをギャンブルとしての価値しか見出せなかった、文部科学省の馬鹿差加減が、損益にようやく現れてきたという事。
  • 競馬をタダのギャンブルとして農水省が対応してたら、日本の競馬がここまで来れただろうか?
  • 別に木っ端役人に馬の世話をしろというのではない。ただ世界に通用する駿馬の産み出したいという生産者の声を聞き、その凱旋門を颯爽と駆ける姿を夢にまでみるファンの声を聞き感じ、それを妨げる壁を取り払うべく、持てる権力の全てを出し最善を尽くして来た事を評価する。
  • もっとも憎むべきは己の私腹を肥やす為の権力であり、その為の無策である。策がなければ辞めたほうが社会のためである。
  • 馬鹿は一旦氏ねと彼女に言われるのと同じことだ。別に言われた位で自分の命に関わる事もない。それでもtotoは、既に文部省の手には負えない状態です。サッカーなんて教育者の手出しが出来るスポーツじゃないんですよ。ひとまず終りましょうよねw
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  • 振興センターは国立競技場のほか、代々木体育館、秩父宮ラグビー場などを保有する。いずれも、税金で作られた国民の共有財産だ PHOTO:片野茂樹

  • 本誌の直撃に、カバンで顔を隠しながら早足で歩く雨宮理事長。元官僚であり、国民の財産を預かる組織のトップとしては、あまりに無責任な対応ではないか PHOTO:片野茂樹

  • PHOTO:片野茂樹
  • いよいよW杯の開幕が近づき、あの興奮が再び日本を包もうとしている。ところがサッカー界の足下では、熱狂を吹き飛ばしかねない大問題が勃発している。サッカーくじの『toto』が、それだ。
  • toto』は'01年、「スポーツ振興」を目的に導入され、収益金の一部が各競技団体や有力選手に分配される仕組みだった。ところが、導入直後から売り上げが低迷し、くじを運営する独立行政法人日本スポーツ振興センター」は、現在約230億円もの累積赤字を抱えている。
  • さらに、振興センターが『toto』の業務を委託していたりそな銀行に対し、委託料約144億円が未払いになっている問題も発覚。りそなは、振興センターの対応次第では法的措置も辞さない構えだ。独立行政法人がカネの未払いで訴えられれば、前代未聞の不祥事である。
  • そもそも『toto』の導入当初、振興センターは市場規模を1600億〜1800億円と想定していた。
  • 「この金額は民間シンクタンクが、'02年W杯後もサッカー人気が続くことを当て込んで算出した数字です。本当に根拠があるかどうか、センター内ではほとんど議論がありませんでした。にもかかわらずセンターは、この予測に基づいた大規模なシステムをりそなに作らせたんです」(振興センター関係者)
  • しかし、フタを開けてみると、『toto』の初年度の売り上げは約642億円に留まり、2年目には早くも採算ライン(約420億円)を割り込んだ。その後も売り上げは減り続け、'05年度には約149億円にまで落ち込んでいる。見通しは完全に外れ、巨額の初期投資がムダになったわけだ。
  • toto』はなぜ、失敗したのか。ジャーナリストの舘澤貢次氏は、振興センターのお役所体質を批判する。
  • 「振興センターの常勤役員は、雨宮忠理事長をはじめ6人中5人が文部科学省財務省からの天下り官僚。つまりギャンブルの素人です。右も左もわからないまま『toto』を放置し、赤字をタレ流したのが実態です。まともな経営陣なら、海外からサッカーくじの専門家を招いて意見を聞くんでしょうが、'04年に『toto』立て直しの方策を検討させたのは、なんと文科省中央教育審議会。彼らの無策ぶりには開いた口がふさがりません」
  • 導入当初にコンビニやネットでの販売を見送ったり、くじの難易度を高く設定しすぎたりするなどの失策も重なった。『toto』の失敗が天下り官僚による“人災”であるのは、明らかだろう。
  • しかしそんな彼らは、庶民には考えられないような高給を受け取っている。旧文部省で学術国際局長を務めた雨宮理事長の年収は1920万円。その他の役員の年収も平均1500万円以上だ。
  • toto』で毎年数十億円の赤字を出し、りそな銀行にカネを払えない状態にもかかわらず、なぜこのような高給が可能なのか。そのカラクリは、国からの補助金にある。そもそも振興センターの立ち上げ時には、政府から1950億円が出資されている上、「運営費交付金」などの名目で、年間約120億円の補助金が支払われているのだ。これでは赤字を埋め、彼らの高給を保障するために血税が使われているようなものだろう。
  • さらに、振興センター内では驚くべき計画が持ち上がっているという。国会で『toto』問題を追及している奥村展三代議士(民主党)が明かす。
  • 「振興センターは、国立競技場や代々木体育館などの資産を管理・保有しています。センターの役員の中には、国民の財産である国立競技場などを担保にカネを借り、赤字を埋めればいいと話している人までいると聞いています」
  • 仮に国立競技場などが借金のカタになれば、センターの赤字がさらに拡大した際には売却されるという、最悪のシナリオが現実になる可能性もある。
  • 天下り官僚が失策を穴埋めするために国民の財産を弄(もてあそ)び、血税に頼って高給生活を満喫するなど、許されることではない。そこで本誌は雨宮理事長を直撃したのだが、雨宮氏は記者が何を聞いても、
  • 「センターの担当者が対応する」
  • の一点張り。そこで、センターに取材を申し込んだが、若松澄夫理事(旧文部省出身)が、
  • 「取材は一切お断りします」
  • と言うのみ。やむなく、雨宮理事長を再び直撃したのだが、こちらの質問にはほとんど答えることなく、
  • 「『toto』にはなんの問題もない」
  • と話すだけだった。これだけの失態を演じながら「なんの問題もない」という神経には呆れるほかない。血税をタレ流すだけの『toto』など、とっととやめてしまったほうがいい。
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